【MOS試験は転職に役立つ?】難易度や取得メリット・デメリット

IT資格 MOS試験は役に立つ?難易度や転職時のメリット

MOS(Microsoft Office Specialist)試験は、マイクロソフトのWordやExcelのスキルを確認する資格試験です。

プログラマやエンジニアなど高度なITスキルを求められる職種の場合は、MOS試験がアピール材料となることは基本的にありませんが、事務系や営業系の採用ではMOSが+αのITスキルとして有利になる場合もあります。

今回は、MOSの資格が有利になるケースやMOS試験を受けるメリット・デメリットを解説します。

目次

MOS試験とは

MOS試験の「MOS」は、「Microsoft Office Specialist」の略語です。マイクロソフトのWordやExcelなどオフィス製品を使うスキルを証明する資格です。2023年9時点で累計500万人以上の方が受験しています。

MOS試験の種類

MOS試験には、以下5種類のオフィス製品の種類があります。一般レベルとエキスパートレベルに分かれており、それぞれいくつかのバージョン(2016/2019/365)のなかから選択できます。

初学習者であれば、ExcelとWordの一般レベル・最新バージョン365から取得するのがおすすめです。

スクロールできます
試験一般レベルエキスパートレベル
Word(文書作成ソフト)Word 365
Word 2019
Word 2016
Word 365
Word 2019
Excel(表計算ソフト)Excel 365
Excel 2019
Excel 2016
Excel 365
Excel 2019
Excel 2016
PowerPoint(プレゼンテーションソフト)PowerPoint 365
PowerPoint 2019
PowerPoint 2016
Access(データベース管理ソフト)Access 2016Access 2019
Outlook(電子メール・情報管理ソフト)Outlook 2019
Outlook 2016
MOS試験概要※2023年12月時点

WordとExcelは一般レベルと上級レベル(エキスパート)に分かれています。

試験レベルについて | MOS試験
試験レベルについて | MOS試験

MOS試験の難易度とおすすめ試験区分

MOS試験の合格率は、公開されていません。そのため一概に難易度をいえませんが、比較的易しいといわれています。

初めて受ける方やパソコンに不慣れな方は、一般レベルから受験してみるとよいでしょう。

どの試験を選ぶか迷っている方は、特に需要の多いExcel一般レベル・最新バージョン365、次にWordの一般レベル最新バージョン365を取得するのがおすすめです。

MOS試験を受けるメリット

MOS試験を受けるメリットには、以下のようなものがあります。

スキルを客観的に証明できる

MOSの資格を持つと、オフィス製品のスキルを持っていることを客観的に証明できます。

例えば職場や面接で「Excelができる人がいい」と言われても、どの程度のレベルであれば「Excelができる」と言ってよいか悩む場合があるかもしれません。MOSの資格があれば客観的にスキルを伝えることができます。

MOSの資格を持ってスキルの基準を伝えられると、「Excelができると聞いていたのに、実際は全然できない人だった」といったような採用者とのスキルの認識齟齬が発生しにくくなります。

業種によっては就職や転職でアピールできる

MOS試験の資格を持っていると、就職や転職の際に+αのスキルとして有利に働く可能性があります。

特に事務系や営業系の仕事に就きたい場合、オフィス製品のスキルを持っていると重宝されることがあります。

ただし、プログラマやエンジニアなど高度なITスキルを求められる職種の場合は、一般レベルであれエキスパートレベルであれMOSの資格取得がアピール材料とはならないことが多いため注意しましょう。

パソコン業務を効率化できる

MOS試験の勉強を通してオフィス製品の知識を身に付けると、パソコン業務を効率化できる可能性が高まります。

ExcelやWordの作業は、関数などの知識を持っていればいるほど作業を効率化しやすくなります。作業を効率化できると仕事を早く終えられたり、他の業務を手伝ったりできるようになり、仕事がスムーズにすすむでしょう。

業務の効率化が定着すると、職場からの評価が高くなるかもしれません。

MOS試験を受けるデメリット

基本的に、MOSの資格を持つデメリットはありません。しかし、一般的には「MOSの資格は意味がない」という声もあります。ここでは、MOS試験を受けるデメリットや注意点を説明します。

試験料が高い

MOSの試験料はレベルなどによって異なり、学割価格も設けられています。例えばWord 2019の場合、価格は以下の通りです。

一般レベル
一般価格10,780円(税込)
学割価格8,580円(税込)
上級レベル
一般価格12,980円(税込)
学割価格10,780円(税込)

一般レベルの一般価格10,780円を「高い」と捉えるかは人それぞれでしょう。

例えばIT企業がよく社員に取得を推奨する基本情報技術者試験は、受験料が7,500円(税込み)です。MOSの資格は基本情報技術者試験よりは難易度が低いため、人によっては「受験料が高い」と感じるかもしれません。

時間の経過とともに資格や学んだ内容が古くなる

オフィス製品はそのときそのときで主流バージョンが変わります。

Excel2000、2003、2007、2010…といったように時間が経つにつれて次々と新しいバージョンの製品がリリースされます。

せっかく勉強しても、3年後・5年後には学んだ製品の知識はすでに過去のソフトウェアとなっている形になります。

多少バージョンが古くてもWordやExcelのソフトウェアの大まかな使い方はほとんど同じであるため、すぐに学んだ知識が使えなくなるわけではありません。

しかし、過去せっかくMOS資格を取得していてもそのときのバージョンが10年以上前のものなどかなり古い場合は、採用面談時にあまり好印象にならないかもしれません。

ただし、ITという分野そのものが変化が早いので、学んだことが過去の技術となるのはMOSに限らずIT全般に言えます。

実務に活かせるとは限らない

MOS試験の内容はパソコン系の作業で役立つものの、必ず実務で活かせるとは限りません。実際にオフィス製品を使うとき、知識だけでは理解できない点も多くあるためです。

「試験に受かるために」という意識のみで勉強していた場合は、すぐに実務に活かすのが難しいかもしれません。

WordやExcelで実際に仕事で必要な作業をやってみて、慣れることが大切です。実務に活かしたい方は、試験勉強をしながら実際にオフィス製品を触ってみるなどの工夫が必要でしょう。

IT専門職ではアピール材料にならない

IT企業のプログラマやエンジニア、Webデザイナーとして中途採用面接を受ける場合、保持資格にMOSの資格はアピール材料になることは基本的にありません。

即戦力のプログラマやエンジニアはオフィス製品を使えることは大前提で、それ以上の高度なITスキルやプロジェクト経験があるかどうかを問われるためです。

一方パソコンが専門ではない事務系や営業系の職業では、MOSの資格を好意的に受け取られることが多くあります。履歴書にMOSの資格保有を記載するか否かは、面接を受ける業種によって使い分けるとよいでしょう。

MOS試験の試験内容

MOS試験の試験内容は、レベルや種類によって異なります。最新情報は、公式サイトで確認するようにしましょう。ここでは、簡単な試験内容を説明します。

MOS試験トップページ
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試験の形態

MOSの試験は、コンピュータを使った実技試験(CBT)です。試験が終わるとパソコンの画面に得点と合否が表示されるようになっています。

出題範囲

出題範囲はMOSの試験の種類によって大きく異なるため、公式サイトで確認しましょう。例えばExcel 2019(一般)の出題範囲には以下のようなカテゴリがあります。

  • ワークシートやブックの管理
  • セルやセル範囲のデータの管理
  • テーブルとテーブルのデータの管理
  • 数式や関数を使用した演算の実行
  • グラフの管理

合格点

MOS試験は合格点が公開されていません。1000点満点で、550点〜850点の範囲が合格の目安といわれています。

まとめ

まとめです。今回は、MOSの資格が有利になるケースやMOS試験を受けるメリット・デメリットを解説しました。

MOSはマイクロソフトのオフィス製品のスキルを測るための資格です。ExcelやWordなど5種類のオフィス製品の試験があり、試験によっては一般レベルと上級レベルに分かれています。

エンジニアやプログラマなどIT専門職の転職では有利になることは少ないですが、事務職や営業職への就職を希望する方は、パソコンの基本的なスキルを備えていることが証明できて有利になる可能性があります。

なにを受験すれば良いのかわからない初学習者は、まずExcelかWordの一般レベル(バージョンは最新の365)にトライしてみるのがおすすめです。

また、MOS試験の勉強を通してオフィス製品の使い方がわかり、業務の効率化につなげることもできるでしょう。オフィス製品のスキルを身に付けたい方は、ぜひ試験を受けてみてください。

なお、転職を考えている方は、下記のIT・エンジニアにIT・エンジニアおすすめ転職エージェント比較・一覧【総まとめ版】の記事もあわせてご覧ください。

今回は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。

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