プログラマーとエンジニアの違いとは?年収や求められるスキル

IT職種 プログラマー と エンジニア 違いや年収・必要スキル

プログラマーとシステムエンジニアは混同されることがよくありますが、仕事内容が大きく異なります。エンジニアはIT技術者の総称として使われ、プログラマーはエンジニアの中のさらに細かい一つの仕事と分類されるのが一般的です。

この記事では、プログラマーとエンジニアの違いを解説しています。仕事内容や求められるスキルの違いを説明しているので、IT業界への就職や転職に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでください。

目次

プログラマーとシステムエンジニアの定義

プログラマーは、ITエンジニアに分類される仕事の一種です。エンジニアには、Webエンジニア、ゲームエンジニアなどさまざまな種類がありますが、一般的にエンジニアはシステムの開発を行うシステムエンジニアをさすことが多いです。

システムエンジニアとプログラマーの違い
プログラマープログラミングをする人
システムエンジニアシステム開発全般に関わる技術者

ここで記載しているシステムエンジニアとプログラマーの違いは、あくまで一般的な内容としての説明です。現場や文脈によっては、システムエンジニアをプログラマーとして指しているシーンもあります。また、プログラマーとエンジニアは明確に分けられていることもあれば、開発の規模によってはプログラマーがエンジニアの仕事を兼任している場合もあります。

プログラマーとシステムエンジニアの違い① 仕事内容

システム開発は大きく以下の流れで行います。

【上流工程】
①要件定義
②基本設計
③詳細設計

【下流工程】
①プログラミング
②単体テスト
③結合テスト
④システムテスト

役割分担はプロジェクトによって異なりますが、上流工程と呼ばれる要件定義・基本設計・詳細設計のフェーズは、エンジニアが担当することが多いです。下流工程のプログラミングはプログラマーが、テストは内容によってプログラマーやエンジニアが実施します。

ここでは、プログラマーとエンジニアの仕事内容の違いを解説します。

プログラマーの仕事

ソフトウェア開発(プログラミング)

プログラマーの主な仕事は、主にプログラミングと作成したプログラムのテスト(単体テスト)です。

プログラミング

プログラマーは、エンジニアが作成した設計書をもとにプログラミングを行います。プログラムが正常に動かなければシステムとして成り立たないため、質の高い成果物を求められます。

プログラムの単体テスト

システム開発におけるテストにはさまざまな種類がありますが、プログラム単体のテストはプログラマーの役割です。

単体テストでは、エンジニアが作成した仕様書通りにプログラムが動くことを確認します。バグが見つかった場合はプログラムを修正し、バグがなくなるまで修正とテストを繰り返します。

システムエンジニアの仕事

システムエンジニアはシステム開発の全体に関わります。エンジニアが行う仕事内容は、以下の通りです。

システム開発全体の設計

要件定義

要件定義の工程では、顧客の要望をヒアリングし、何のためにどのようなシステムを作るか、大まかな仕様を決めます。予算や納期など、システム開発全体の内容を顧客と合意します。

設計

設計工程は、要件定義で顧客と合意した内容を設計書に落とし込みます。設計は基本設計と詳細設計に分かれることが多いです。基本設計では、要件定義の内容をもとに必要な機能を設計し用件定義よりも細かい仕様を決めていきます。

詳細設計ではプログラマーがプログラムを書き起こせるレベルまで詳細に設計します。

テスト

プログラム単体のテストはプログラマーが行います。一方、エンジニアは結合テストやシステムテストを実施します。結合テストはプログラム同士を繋げたテスト、システムテストはシステム全体を通して動作を確認するテストです。

結合テストでは設計工程で作成した設計書通りにシステムが動くか、システムテストでは要件定義で顧客と調整した通りの機能になっているか、本番環境を想定したデータベースとの連携などを確認します。

プログラマーとシステムエンジニアの違い② 年収

プログラマーとシステムエンジニアの年収を比較すると、エンジニアのほうが高い傾向があります。求人ボックスサイトの給料ナビによると、プログラマーの年収は430万円、システムエンジニアの年収は509万円です。

エンジニアの給料のほうが高い理由としては、業務の内容の幅広さが考えられるでしょう。プログラマーはプログラミングとプログラム単体のテストが主な担当範囲です。一方エンジニアは、顧客と要件を調整したり、開発全体の管理を行ったり、業務の内容が幅広い特長があります。

業務の内容が幅広い分、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなど多くのスキルを求められる点も、年収に表れているでしょう。

プログラマーとシステムエンジニアの違い③ スキル

ここでは、プログラマーとシステムエンジニアそれぞれに求められるスキルを3つ紹介します。

プログラマーに求められるスキル

プログラマーに求められるスキルには、以下のようなものがあります。

プログラミングスキル

プログラマーは当然プログラミングスキルが必須スキルです。使用するプログラム言語は、業界やプロジェクトによって異なります。

大企業のBtoB向けシステムであれば、Java、C++、C#が利用されることが多いです。

一方Web系であれば、PHPやRubyなどがよく使われます。全てのプログラミング言語をまんべんなく覚えることは不可能なので、自分が転職したい業界に合わせてスキル習得するのがおすすめです。

論理的思考能力

プログラミングを行うためには、論理的思考能力が必要です。

たとえば、「もし〇〇ならば□□のように動作する、そうでなければXX、、」といったような、ケースに応じて場合分けして考えるやり方が論理的思考能力の一つの具体例です。

プログラミングを適当に行うとエラーになるうえ、プログラムのどの部分が誤っているのかがわからなくなります。

エラーが発生したときに手当たり次第に改善策を試すと、時間がかかってしまいます。論理的思考能力を持っていると、エラーを早く解消できたり、無駄のないシンプルなプログラムを作れたりするでしょう。

コミュニケーションスキル

プログラミングは1人で作業するイメージがありますが、実際はチームとしてシステム開発を行うことが多いです。

プログラマーが直接顧客と調整をする機会は少ないものの、チームのリーダーやメンバーとやり取りする必要があります。そのため、進捗状況やトラブルの状況を密に共有できるコミュニケーションスキルを求められます。

システムエンジニアに求められるスキル

エンジニアに求められるスキルには、以下のようなものがあります。

IT全般の知識

エンジニアには、IT全般の知識が必要です。顧客はエンジニアをシステムのプロだと思って、システムの相談をしてきます。

プログラミング知識だけでなく、顧客のネットワークやサーバーやデータベースとの連携をどうするかのインフラ面やセキュリティの知識などもある程度は必要です。

また要望機能の実現可否やシステムへの落とし込み方法を考えたり、導入後のトラブル発生時の原因究明・顧客への報告もできなければなりません。

エンジニアはプログラミングをする機会はプログラマーより少ないものの、設計のスキルや簡単なプログラミング知識も必要です。プログラミングを全く理解できていなければ設計書を作成するのは難しいでしょう。

コミュニケーションスキル

エンジニアは顧客や、外注先含むチームメンバーとコミュニケーションを繰り返しながらシステムを開発する仕事です。

具体的には、顧客から「システムをこのように実現・変更してほしい」と言われたときも、顧客の要望を受け入れるのか、追加の予算を得るのか、作業中のプログラマーに変更を依頼するのかなどの判断や調整が必要です。

なお、顧客対応は、チームリーダー(チームマネージャー)が主に対応する場合もあれば、小さいプロジェクトであれば直接顧客とやりとりする場合もあります。

顧客やプログラマー、予算管理者など多方面と円滑に調整できるコミュニケーションスキルが求められます。

マネジメントスキル

エンジニアは納期までに高品質のシステムを納品するマネジメント能力も求められます。開発メンバー間での進捗管理や課題管理を行いメンバー間での認識齟齬を無くしてプロジェクトを進行させていく必要があります。

また、問題が発生したらスムーズに調整できなければなりません。

プロジェクトが大きくなればなるほど、関わるメンバーの人数や予算、タスクが増えます。想定外のトラブルが発生しても、冷静に全体を俯瞰して、対応策や暫定回避策など立案して対応していく必要があります。

プログラマーとシステムエンジニアの違い④ 必要な資格

プログラマーやシステムエンジニアになるために、資格は必須ではありません。しかし、資格を所有していると資格勉強で知識を増やせたり、転職や昇進でアピールする材料になったりします。

プログラマーに求められる資格

プログラマーはシステムエンジニアほど資格が重要視されない傾向にあるものの、下記のような資格を取得する人も多いです。※IT系の資格は大きく、国家系資格とベンダー資格に大別できます。

国家資格

・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験

ベンダー資格(民間企業・組織が主催する資格)

・Oracle認定Java資格
・C言語プログラミング能力認定試験
・PHP技術者認定試験
・Ruby技術者認定試験

基本情報技術者試験は、IT技術者が最初に取得することが多い資格です。ITの基礎知識が問われる資格なので、未経験の場合は基本情報技術者試験から目指すとよいでしょう。

プログラム言語の資格としては、Oracle認定Java資格やC言語プログラミング能力認定試験、Ruby技術者認定試験などがあります。自分が使用する言語の資格取得を目指すと実務に活かせます。

システムエンジニアに求められる資格

システムエンジニアに求められる資格の例は、以下の通りです。

国家資格

・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・システムアーキテクト試験
・ITストラテジスト試験

民間資格

・MCP:Microsoft Certifications Program
・PMP:Project Management Professional
・ITIL:Information Technology Infrastructure Library

システムエンジニアもプログラマーと同様に最初に基本情報技術者試験から取得を目指す人が多いです。

その後は上位資格の応用情報技術者試験や、さらに上位のネットワークスペシャリスト試験やシステムアーキテクト試験、ITストラテジスト試験などを目指すのが一般的です。

また、民間資格は、Microsoft系の知識や、プロジェクト管理系のPMPやITILなど、プログラマーよりもシステム開発運用全般に関わる知識体系を習得するための資格を取る人が多いです。

プログラマーとシステムエンジニアの違い⑤ 向いている人

プログラマーとシステムエンジニアは求められるスキルが異なるため、適性も変わってきます。ここでは、それぞれの仕事に向いている人の特徴を紹介します。

プログラマーに向いている人

プログラマーにはコツコツと作業を続けられ、新しい知識の習得を楽しめる人が向いています。

プログラミングは何時間もパソコンに向かって作業することが多いです。1人でも地道に作業を続けられる人が向いているでしょう。また、IT業界は常に新しい技術が生まれています。新しい言語や技術を柔軟に受け入れられる人は、多くの現場で活躍できるでしょう。

システムエンジニアに向いている人

システムエンジニアはプロジェクト全体を俯瞰してマネジメントする必要があります。顧客やチームメンバーと協力しあって円滑なコミュニケーションをとれる人が向いているでしょう。

システム開発の過程では、想定外の事象やトラブルが起きることは珍しくありません。そのような状況においても、コミュニケーションを取り合って問題解決に動ける人が向いています。

まとめ

プログラマーとエンジニアの違いを解説しました。プログラマーはITエンジニアに分類される仕事で、プログラミングを行う人です。エンジニアは、システム開発全般に関わる技術者のことです。

プログラマーとエンジニアは、仕事内容や年収、求められるスキルが異なります。どちらもシステム開発においてなくてはならない仕事です。IT業界への就職や転職を考えている方は、自分がどちらに興味があり、適性があるのかを検討してみてください。

プログラマーやエンジニアに転職希望のある方は、転職エージェントを利用してみるとよいでしょう。

一口に転職エージェントと言っても、20代・IT未経験か、IT経験者か、30代以降かで選択するべき転職エージェントは変わりますので、IT業界へ転職したい方は参考にしてみてください。

詳しくは「IT・エンジニアおすすめ転職エージェント比較・一覧【総まとめ版】」をご参照ください。

今回は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。

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